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社畜と作曲と読書とその他

社畜兼作曲家です。読んだ本のことなどについて、拙い言葉で書いていく所存です。

「ビル・ゲイツとやり合うために仕方なく英語を練習しました。 成毛式「割り切り&手抜き」勉強法」 ー それでも僕は外国語を勉強する

言いたいことを、だいたい全部言われてしまっていた上に、ものすごく役に立つ内容だったと感じた、悔しい一冊。

 

www.amazon.co.jp

 

ここに書くのは、蛇足かもしれないけれど、敗北宣言、兼、今後の学習宣言。

 

 

著者、成毛眞氏は、今となっては読書家だったりHONZの代表だったり、実業家だったりその他色々、たくさんの肩書をお持ちの、僕が憧れる「大人」の一人なのだけれど、それ以上に「元日本マイクロソフトの代表」というのが大きい。すなわち、タイトル通り、かのビル・ゲイツとやりあったことがある人の実体験というだけでも、まずものすごく価値が高い。

 

それに加えて、看板に偽りなく「割り切り&手抜き」の英語学習、言い換えると「効率的に必要最低限の英語力を身につける」英語学習、である。

成毛氏は30歳を過ぎてから、本書の学習方法を実践し、本当にビル・ゲイツとやりあうところまで来てしまった。

30で、マイクロソフト日本法人の代表というからには、当然仕事もお忙しく、読書その他の遊びにも熱心な方だから、英語ばかりというわけにはいかなかっただろう。

そんな状況であっても、ハーバード大出身IQ160(出典:Wikipedia)の大実業家とやりあう英語が身についていた、ということだ。2017年1月6日現在、本書のKindle版の価格は702円。これをお買い得と言わずして何と言おう。

 

目次を引用させていただくと、

 第1章 王道を行く。しかし、燃費のいい車に乗って
【必要なのは「ゴール」と「締め切り」】
第2章 自分を「できている気」にさせるのがコツ
【こんな5つの練習をしてみました】
第3章 上手に話せる人のうまい「切り抜け方」
【「今あるもの」でなんとかしよう】
第4章 次のステップに進みたい奇特な方に
【お得な英語「練習」ツール】

おわりに 10年後、日本人の99%に英語はいらない

巻末付録 英語をモノにするための8冊、「15000円ポッキリ」!

 

ゴールと締め切りの必要性については、「外国語上達法 (岩波新書 黄版 329) | 千野 栄一 |本 | 通販 | Amazon」にも言及がある通り。何事も、目的を定めずに進めていくことは非常に難しいと思う(作曲も同じ!)

 

また、練習法の中にあった、子音を頑張ることと、目標とする人のマネは、自分の体験としても納得のいくものだった。(Peter Thielの物真似で、初受験2週間前にTOEICのリスニングスコアが200点上がった)

 

インターネット上にゴマンと使える素材が転がっているというのも、またありがたい。OCWなどは多用させてもらっているし、数学の勉強にもなって楽しいことこの上ない。

 

色々書いてきたけれども、結局言いたいのは、「英語を学ぶ前の心構えを作るにはうってつけ」だということで、大変におすすめできるし、今検討している転職先でも英語を使いたい意欲が湧き出る程度には、火をつけてくれた一冊だった。

 

で、長々書いてきたけれども、ここからが本題。

 

あとがきに当たる「おわりに 10年後、日本人の99%に英語はいらない」では、著者の過去作「Amazon.co.jp: 日本人の9割に英語はいらない (祥伝社黄金文庫) 電子書籍: 成毛眞: 本」と同じ結論が書かれている。この本では、データからきちんと「9割」という根拠を示し、「英語の勉強なんかしてる暇があったら~」という、成毛節炸裂の気持ちのよい内容だった。

 

しかし実は「日本人の9割に~」を読んだときには、この結論に違和感を覚えて、「自分は英語、やるけどな」などと生意気にも思ったものだけれど、今回の「ビル・ゲイツとやりあうために~」で示された結論の件では、その合わせて書かれていた理由に、ひどく納得したし、同時に悔しい思いをしたのだ。「自分もこれが言いたかったのに」と。

 

とはいえ、このことについては随分とあっさりした書き方になっていたし、地頭の悪い自分の備忘録としては意味があると思われるので、自分なりに、具体例を用いて考えたことを、ここに書いておく。

 

SkypeGoogleが提供する機械翻訳の精度が劇的に進化している昨今、(「ビル・ゲイツと~」にも書かれているとおり)確かに99%には、英語は不要になるだろう。

僕はむしろ少数言語救済になるかもしれない、という点で楽観的だし、リアルタイム翻訳は待ち遠しいと思っているぐらいだ。

 

それでも僕は英語を(そして他の外国語も)勉強する。

より正確には、勉強したい。

 

理由は単純で、それがいわゆるエリートの証となって、地位や年収などといったものにも響いてくると思うからだ(年収→エリート、の順ではない)。*1

 

自動車の大量生産が行われるまで、乗馬は比較的普通の、移動手段の一つだった。今ではどうだろうか。「乗馬が好きです」と言う人に対して、僕らはどんな印象を持つか。

あくまで予測だけれど、完全自動運転が実現した時、「自動車の運転」にも同じことが起きると思っている。

要するに、わざわざ人間がやらなくても良いことをやる、というのは、それなりの余裕が必要になるのだと思う。それは時間的、経済的、あるいは精神的な余裕、などといったものなのだろうけれど、英語は「身につけていることによって余裕のある人間だと思われるスキル」になっていくような気がする。

 

また、学術的に賛否両論あり、決着のついている問題ではないけれど、僕は「人間の思考が言語に支配されている」という立場を支持している。複数の言語を扱えることは、それだけ多くの視点と価値観を持つことになり、とりもなおさず多様な世界を知るための強力な道具になるだろう。世界が複雑怪奇で多種多様であることを、愚か者なりにも、僕はなるべく知っておきたい。いや、むしろ愚か者だからこそ、知っておきたいとも思う。

 

謹賀新年、いい加減いい年をした大人げない大人になってしまいそうなので、陳腐な言い方だが飛躍の年にしたいと思う。そのためにもまずは転職だ。難しくて属人的で、やりがいのある大変な仕事に就ければ良いと思う。ついでにできれば、外国語をお腹いっぱい使い倒すような仕事に。

*1:エリートですね!とちやほやされたいわけではないのだけれど、将来に希望と余裕を持っていたいし、広く世界を知りたいという自分の願望を叶えるには、そのようにあることが近道になると思う。